ビールって奥が深い飲み物だ
「1杯目は~…とりあえずビールで!」
居酒屋さんでよく聞くセリフです。
でもいつも飲んでいるそのビール、どうやって作られどんな種類があるのかご存じですか?
ビールをよく飲むのなら、お店へ行ったときに少しでも知識がある方が楽しめるはず。
「いろいろな種類があって結局よく分からない…」そんな方に向けてビールの基本を解説します。
これを機にビールについての知識を深めちゃいましょう!
そもそもビールとは?
いつも飲んでいるビールがどのように作られているのか、その工程について簡単に説明します。
主な原材料はこちらの4つ。
- モルト(麦芽)・・・発芽した麦のこと
- ホップ・・・ビールの味や香りを生むつる性の植物。中に含まれる「ルプリン」という黄金色の粉末が使われる
- 酵母・・・糖分をアルコールに変える生きた菌で、炭酸ガスやエステルなどの香味成分を生み出す
- 水・・・ビールの約9割を占めるもの。淡色ビールには軟水、濃色ビールには硬水がいいとされる
この4つを使用し、長い工程を経てビールが完成しているんです。
①大麦を発芽させ「モルト(麦芽)」を作るところからスタート!
②モルトを細かく粉砕する。
③粉砕したモルトとお湯を混ぜ、おかゆ状のもろみとなったらろ過。
クリアな液体になった「麦汁」に「ホップ」を加える。
(ちなみに最初に絞り出された麦汁を「第一麦汁」と呼び、第一麦汁のみを使用しています。)
④麦汁に「酵母」を追加する。
発酵が起こり、アルコールと炭酸ガスが生まれ「若ビール」の状態になる。
⑤貯酒タンクに移動させ熟成する。
数日間熟成することで豊かな香りとのどごしのある発泡性が生まれる。
⑥熱処理かろ過を行い、酵母を死滅させ発酵をとめる。
(ここで熱処理をしないものが皆さんご存知の「生ビール」になります。)
⑦完成したビールを酸素に触れないように密閉して瓶や缶などに詰める。
おおまかですが、以上がビールの製造工程です。
工程を知ることで「麦とホップ」や「一番搾り」など、商品名の由来に納得できたかと思います。
第一麦汁で「一番搾り」なんだね!
クラフトビールとは?
実は日本において「クラフトビール」に明確な定義はありません。
アメリカ合衆国における小規模ビール醸造所(マイクロブルワリー)の業界団体であるブルワーズ・アソシエーションによるとクラフトビールは「小規模・独立・伝統的」であると定義されています。
日本におけるクラフトビールもこれに準ずるという考えから「全国地ビール醸造者協議会」が定めるのは以下の通り。
酒税法改正(1994年4月)以前から造られている大資本の大量生産のビールからは独立したビール造りを行っている。
出典:http://www.beer.gr.jp/local_beer/
1回の仕込単位(麦汁の製造量)が20キロリットル以下の小規模な仕込みで行い、ブルワー(醸造者)が目の届く製造を行っている。
伝統的な製法で製造しているか、あるいは地域の特産品などを原料とした個性あふれるビールを製造している。
そして地域に根付いている。
大きな会社の造るビールは当てはまらなそうだね!
数年前にブームになった地ビールもクラフトビールと同じようなものと考えてOKです。
先ほどの条件に当てはめて考えると、日本の有名なクラフトビールはCOEDOビールやよなよなエール、インドの青鬼などでしょうか。
基本的には、広く流通しているアサヒやサッポロなどの大手が作るビール以外と考えていいと思います。
日本で1番クラフトビールの醸造所が密集している街は「横浜」といわれています。
醸造所(ブルワリー)の数はなんと10箇所以上!
横浜を訪れた際には、クラフトビールも楽しんでくださいね。
クラフトビールと普通のビールの違いって?
先ほど解説した通り、クラフトビールと普通のビールの大きな違いは「生産規模」です。
また大手メーカーの作るものは、ビールの中でも「ラガー」に当てはまることがほとんど。
だからといってクラフトビールは「ラガー以外のもの」というわけではないので難しいのですが…。
ビールの種類については次の章で具体的に解説しますね。
ビールの種類とは?
まずは図を見てください。
ビールは大きく分けて「ラガー」と「エール」の2種類に分けられます。
その中で「ピルスナー」や「IPA」など細かいスタイルに分類されるんです。
なんとなく聞いたことある…!
ただ、どこがどのように違うのかと聞かれると困ってしまいますよね。
お酒に詳しいかっこいい大人を演出するためにも、基本的な2つの違いから学んでいきましょう。
ラガーとエールの違い
ビール作りは酵母菌によって行われる発酵がとても大切です。
‘その発酵には「上面発酵」と「下面発酵」があり、発酵の方法でラガーとエールに分類されます。
ラガー
スッキリとした飲みやすさとノド越しを楽しめる「ラガー」。
クラフトビールにエールビールが多いことから「古い」という印象を持たれがちですが、実は新しい製法で作られているのはラガーの方なんです。
「ラガー」の下面発酵は、低温で発酵させるため雑菌が繁殖しにくく、品質を一定に保ちやすいというメリットがあります。
そのため大量生産に向いており、大手の造るビールは「ラガー」であることがほとんどです。
エール
芳醇で濃厚な味わいが特徴で、フルーティーな香りを楽しめる「エール」。
大量生産には向きませんが、醸造所ごとのこだわりが全面に出る製法でまさにクラフトビールにぴったり。
味わいにも個性があり、料理に合わせてペアリングを楽しめます。
この他に自然に生息する天然の酵母を利用する「自然発酵」というものもありますが現在では少ない作り方となっています。
自然発酵されたビールはベルギーの「ランピック」というものが代表的です。
歴史のある自然発酵を利用して造っている醸造所は日本にもあるので、興味のある方は調べてみてくださいね!
それぞれの「スタイル」
ビールの発酵のさせ方には大きく分けて2種類あり、ラガーとエールに分けられると解説しました。
そんな2種類をさらに分類したのが「スタイル」。
日本の市場を占めているラガービールの「ピルスナー」や、クラフトビールとしてよく耳にする「ペールエール」「IPA」なども、すべて「スタイル」のことなのです。
ラガーのスタイル
有名な2つのスタイルをピックアップしてご紹介します。
- ピルスナー
- シュバルツ
ピルスナー
大手のビール会社が作るほとんどは「ラガー」であると解説しましたが、そのスタイルの多くは「ピルスナー」に当てはまります。
黄金にキラキラと輝く色味でホップの爽やかな苦みが特徴。
今でこそ黄金色のビールは馴染み深いですが、ピルスナーが登場した当時は「世界初の金色のラガービール」と呼ばれていました。
日本で最も親しまれているビールであり、世界で飲まれているビールの約7割を占めているともいわれています。
- 瑠璃Ruri(COEDO)
- エチゴビールピルスナー(エチゴビール)
- ピルスナー・ウルケル
シュバルツ
ドイツ語で「黒」という意味のシュバルツはドイツ生まれの黒ビール。
黒ビールという見た目から重厚な味を想像しがちですが、意外と苦みが少なくすっきりとした味わいを楽しむことができます。
後味がさっぱりとしているのもシャープさのあるラガーの特徴ですね。
- 漆黒(COEDO)
- シュバルツ(ベアレン醸造所)
エールのスタイル
いわゆるクラフトビール、と呼ばれるのはこちらのスタイルが多いです。
代表的なものをいくつか紹介します。
- ペールエール
- IPA
- スタウト
ペールエール
淡い(ペール)色でホップやモルトの豊かな香りが特徴のビール。
発祥はイギリスですが、ホップの華やかな香りのアメリカン・ペールエールが誕生すると世界的に人気になりました。
ピルスナーと違い、冷やしすぎないことが美味しく飲むポイント。
おすすめは、飲み口の広いグラスに注いで香りを楽しむ飲み方です。
- よなよなエール(ヤッホーブルーイング)
- Hitachino Nest Beer Nipponia(常陸野ネストビール)
- T.Y.HABOR PALE ALE(ティーワイハーバー)
IPA(インディア・ペールエール)
「アイピーエー」とも呼ばれ、クラフトビールが飲めるお店では必ずと言っていいほど用意してある定番の一杯。
アルコール度数は高めで、強いホップの苦みが特徴です。
苦みが強く個性的なビールが多いですが、一度飲むとクセになってしまう人も多いのだとか。
わたしもIPAが一番好き!
- インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)
- だいだいエール(常陸野ネストビール)
- パンクIPA(ブリュードッグ)
スタウト
香ばしいナッツやコーヒーのような香りが特徴的な、真っ黒でコクの強いビールです。
「スタウト」には「強い」という意味が含まれているので、イメージ通りの見た目ですね。
イギリスでは昔から、牡蠣とスタウトは最高の組み合わせで相性抜群であると言われています。
牡蠣のエキスを加えた「オイスタースタウト」というビールもあるほど。
ぜひさまざまな組み合わせを楽しんでみてくださいね。
- ドラフトギネス(ギネス)
- エチゴビールスタウト(エチゴビール)
クラフトビールを楽しむならサブスクがおすすめ!
代表的なビールの種類とその商品をいくつか紹介してきましたが、先ほどあげたのはスーパーなどでも買える定番のもの。
すでに飲んだことがあったり、少し物足りなかったりする方もいるかもしれません。
そんなクラフトビール沼に足を踏み入れている方にはサブスクがおすすめ!
なかなかお目にかかれないビールが飲めちゃう??
こちらの記事でもビールのサブスクサービスを比較しています!
ビールのサブスク8選!ビールサーバータイプとクラフトビールの缶・びんタイプ、おすすめサービスは?
キリンホームタップ
月額:8,250円(税込・送料込)~
月に1度4Lコースの場合
※月4Lコースと月8Lコースがある’]
言わずと知れたビール界の王者「キリンビール」からも会員制生ビールサービスがスタートしています。
期間限定のクラフトビールや一部店舗でしか味わえなかったビールなど、常時3~4種類から選べる豊富なラインナップでつくりたてのおいしさが届きます。
\キリンホームタップの詳細や口コミはこちら!/
ビアサーバークラブ
月額:13,860円(税込・送料込)~
月に1度8L樽が届く
※月1本コースと2本コースがある
ビールサーバータイプのサブスクで、月に1度8L樽のクラフトビールが1本または2本届きます。(本数はプランにより変動)
樽の内側の特殊な袋により、開封後3週間以上経っても味の劣化がないのも嬉しいポイント。
世界各国のビールの中から4種類ラインナップされています。
ビールサーバーで入れるビールは缶や瓶とはまた違った美味しさがありますよね。
\ビアサーバークラブの詳細や口コミはこちら!/
Otomoni
月額:4,378円(税込・送料込)
※沖縄・離島は除く
2週間に1度、6本のクラフトビールが届く
280社以上のブルワリーと契約しており、取扱商品は1900種類以上!
中にはOtomoniオリジナルの銘柄もあり、ここでしか飲めないプレミアムなビールも揃っています。
季節やテーマに合わせてユーザーの好みを反映したビールを届けてくれるので、新たな好みも見つかるかも?
\Otomoniの詳細や口コミはこちら!/
ビアフェスタ
月額:3,600円(税込・送料込)
1 番蔵出しの新鮮な地ビールが6本(330ml)届く
クラフトビール好きの会員制サービスである「ビアフェスタ」。
ファン投票をもとに選ばれた地ビールをファンの数だけ受注生産し、届けてくれるサブスク。
受注生産なので作り手が在庫を抱えることなく、ファン側も出来立ての地ビールを受け取れるどちらにとってもwin-winのサービスです。
コース期間は3ヶ月のため、1度に3回分の支払いが必要な点にご注意くださいね。
\ビアフェスタの詳細や口コミはこちら!/
クラフトビール沼へようこそ!
クラフトビールと普通のビールの違いや、種類ごとの特徴について解説を行いましたがいかがでしたか?
「ラガーは下面発酵で大手のビールの大半はこれ」
「エールは上面発酵で(どちらかといえば)クラフトビールが多い」
この2つを覚えるだけでも、お店で注文する際に役に立つかなと思います。
ビールを選ぶ基準が分かった気がする!
今までの選び方を少し変えて、どんな料理に合うのか考えながらビールを選ぶのも楽しいですよ。
紹介した通りビールのスタイルにはそれぞれの魅力があるので、自分だけのお気に入りを見つけてくださいね!
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