FXの両建て禁止理由とは?メリット・デメリット&両建てOKな業者も紹介!

FXの両建て禁止の背景

FX (外国為替取引)では、両建てが禁止されています。

  • 両建てとは…
    FX取引で一つの通貨ペアに対して買いと売りのポジションを同時に持つこと

「両建て」とは、FX取引で一つの通貨ペアに対して買いと売りのポジションを同時に持つことを指します。これは、証券会社により禁止されているところが増えています。

なぜ、両建てが禁止されているのでしょうか?ここからは、両建てが禁止された背景について解説します。

その他FXの基礎については、以下の記事をご覧ください。

なぜ両建てが禁止されるのか

両建て禁止の理由1:投資家自身を守るため
両建て禁止の理由2:市場の安定性を確保するため

両建てが禁止される理由は主に二つあります。一つは、投資家自身を守るため、もう一つは市場全体の安定性を確保するためです。

まず、投資家自身を守るための理由から見てみましょう。両建てが許されると、投資家は短期間で大きな利益を上げる可能性がありますが、一方で大きなリスクも存在します。価格は急激に上下することがあり、大きな損失を出してしまう可能性があるのです。

次に、市場全体の安定性についてです。大量の両建て取引が行われると、市場全体が揺さぶられ、価格の乱高下や流動性の悪化を引き起こす可能性があります。一部の投資家の大規模な両建てが市場全体の秩序を乱すことになり、個々の投資家だけでなく、全体的な市場の安定にも影響を与えるのです。

両建て禁止のメリットとデメリット

両建て禁止には、メリットとデメリットが存在します。

メリットとしては、投資家自身のリスク管理が向上することが挙げられます。両建て禁止により、投資家は一つの通貨ペアに対するポジションを一つだけ持つことになり、管理が容易になるのです。また、市場全体の安定性の維持に繋がります。

一方、デメリットとしては、投資家の戦略選択の自由が制約されることが挙げられます。一部の投資家にとっては、両建てが有効な戦略となることもあるためです。

したがって、一概に両建て禁止が全ての投資家にとって有益とは限らないという面も考慮する必要があります。

両建て禁止の影響

FX取引の一つの形態である、「両建て」が禁止されるという概念は、投資家の取引戦略に多大な影響を与えることがあります。

両建てとは、異なる2つのポジションを同時に保有することです。両建てが可能な場合、市場がどちらに動いても利益を上げることが可能な一方、禁止された場合にはその保証はなくなります。

それでは、この両建て禁止がどのような影響を及ぼすのか、詳しく見ていきましょう。

投資家への影響

投資家にとって、両建て禁止は結果的にリスクを上げることにつながります。両建てが可能であれば、市場が上がろうが下がろうが、利益を得ることが可能でした。

両建て禁止により、投資家は市場が一方向に動いた場合のみ利益を上げられるようになりました。そのため、トレードのタイミングや方向性を精確に予測することの重要性を増す結果となりました。

一方で、適切なトレードスキルと知識を持つ投資家にとって両建て禁止は、利益を上げるチャンスでもあります。必要なスキルや知識、リスク管理の習得が求められるようになることから、専門的な知識やスキルを身につけられ、それが結果的に市場の成熟度が高まるという可能性も考えられます。

FX市場への影響

FX市場は、参加者が多いほど流動性が高まり、市場が健全な動きを保つことが可能となります。両建ての禁止は、市場参加者の減少を招く可能性があります。

また、市場のボラティリティも影響を受ける可能性があります。両建てが可能であれば、市場の上下動を吸収し、平穏な状態を保つことも可能でした。

禁止により、より大きな値動きが発生し、市場全体の安定性が揺らぐ可能性も否定できません。

両建て禁止に対する対策

両建て取引はリスクを分散させるために利用される手段でしたが、それが禁止された現在、新たな対策が必要となっています。

ここからは、両建て禁止の代わりとなる、取引戦略を紹介します。

一方向の取引戦略

主な取引戦略は、大きく分けて2つあります。

  • トレンドフォロー型:トレンドに沿って取引を行う。トレンドが続く限り利益を出せる。
  • 反トレンド型:市場の反発や調整を狙って取引を行う。価格が一定範囲内でのみ動くときに有効。

まず、トレンドフォロー型は価格変動のトレンドを追って取引を行うため、トレンドが続く限りは利益を拡大することが可能です。しかし、逆のトレンドが転じた瞬間に大損する可能性があるので、細心の注意が必要です。

一方、反トレンド型は市場の反発や調整を狙って取引を行います。価格が一定範囲内でのみ動くランジ相場の時に有効です。しかし、大きなトレンドが生まれた場合には利益を落とすことになるので、市場の動向を見極める目配りが必要です。

いかにして新たなリスクを織り込みつつ、利益を最大化する戦略を練るかが求められます。そのためには、市場の動向を理解し、それに応じた取引戦略を立てることが必要でしょう。

持ち合い期間の短縮

持ち合い期間を短縮するために、デイトレードを行うことも戦略のひとつです。一日の間にポジションを開いて閉じることで、それに伴うリスクを一定期間まで抑えることできます。

しかし、高い技術と経験が必要となるため、初心者にはオススメできません。

また、持ち合い期間を短縮することによりスワップポイント獲得のチャンスを失うこともあります。投資のメリット・デメリットをしっかりと把握しながら、自分の投資スタイルに合った戦略を見つけることが大切です。

取引量の調整

また、取引量を調整し、資金管理を行うことも欠かせません。資金の一部だけで取引を行えば、予期せぬ損失に見舞われたときでも対応可能です。また、適切なレバレッジを活用することで、取引量を調整することもできるでしょう。

しかし、レバレッジは諸刃の剣です。利益を増幅させる一方で、リスクも増大させる可能性があるため、慎重な運用が求められます。

投資は資金管理が全てと言っても過言ではありません。リスクを減らし、効率的に利益を増やすためには、自分自身の資金管理能力を身につけることが重要なのです。

両建て可能なFX業者の選び方

外国為替取引、いわゆるFX取引に携わる上で極めて重要となるのが、FX業者の選び方です。中でも、両建て取引が可能な業者を選択することが大切です。

ここでは、その両建て可能なFX業者の選び方、業者選びのポイント、具体的な業者紹介、そして注意すべき業者の特徴について詳しく説明していきます。

業者選びのポイント

FX業者選びにおけるポイントは多数あります。その中でも特に重要なポイントは、以下の通りです。

  • 取引方式
  • 取引手数料
  • 両建て可能な通貨ペアの種類 など

取引方式は、ディーリングデスク型やNDD型などがあり、それぞれの方式には一長一短があります。どちらを選ぶかは自身のトレードスタイルや予測によるところが大きいでしょう。

また、取引手数料も重要な要素で、無駄なコストをかけずに取引ができる業者を選ぶことが財務的な観点からは重要となります。

そして何より、たくさんの通貨ペアで両建てが出来る業者を選ぶことで、より多角的な投資戦略を立てることが可能になります。

両建てが禁止されていない業者

調査の結果、ほぼすべてのFX業者が両建てを禁止していることが分かりました。

しかし、以下の業者は両建てが許可されている、数少ないFX業者のようです。

  • Exness(エクスネス)

ただし、両建てが可能であっても、業者によっては条件がある場合があります。例えば、他社間の両建てが許可されているかどうかを確認する必要があります。

両建てが許可されている業者であっても、利用規約を確認してルールに従って取引することが重要です。

注意すべき業者の特徴

FX業者選びにおいては、特に注意すべき業者の特徴についてもご紹介します。

例えば、取引手数料が明確に示されていない業者、または高額な取引手数料を請求する業者には注意が必要です。都度のトレードにおけるコストは、取引回数が増えるほど大きな影響を及ぼします。

また、自分が主に取引しようと考えている通貨ペアが両建て不可と明記されている場合や、両建てに対する制限が明示的でない業者も注意が必要です。これらの点を踏まえた上で、自身の投資スタイルに最適な業者を見極めることが大切となります。

両建て禁止の将来予測

これからの時代、両建て禁止という規制が世界的に広がりを見せるでしょう。

多くの投資家からの物議を醸し出しているこの動きは、そのまま続くと思われます。将来的には、両建て禁止が普遍的なルールとなる可能性が十分にあります。

ここからは、両建ての将来について解説します。

両建て禁止の長期的視点

両建て禁止は、トレーダーにとって利益を制限するというマイナス面もありますが、一方で市場全体の安定というプラスの面を見れば、十分に理解を得られる措置と言えます。

投資市場は誤ったパートナーによる取引を過度に拡大し、市場全体のバランスを崩す可能性があります。結果、市場が不安定になり、不透明性が増すでしょう。両建て禁止の規制は、このような過度な取引を抑制し、市場の安定保持と透明性の向上に資するものと言えましょう。

両建て禁止の規制は、規制緩和の流れの一部ではありますが、市場の安全性を保つための必要なステップと認識するべきでしょう。

両建て禁止の影響と将来性

両建て禁止は、一見するとトレーダーの自由を制限するように思われるかもしれません。しかし、これはトレーダーがリスクを適切に管理し、長期的な視野で投資を行うことを促すものです。

両建て禁止は短期的な取引を制限しますが、その一方でリスク管理の視点から見れば、適切な規制と言えるでしょう。

また、両建て禁止の実装は、FX市場が成熟してきたという証拠でもあります。成熟した市場では、リスク管理と透明性が求められます。これらの観点から、両建て禁止の将来性は高いと言えるでしょう。

市場全体のバランスと安定性を保ち、参加者全体の利益を保護する規制として、両建て禁止は今後も拡大する可能性が高いのです。

両建て禁止の注意点

両建て禁止はトレーダーが適切なリスク管理を行うために重要な規則であり、法令遵守の観点からも理解しておくことが求められます。これはポジションを持つ全てのトレーダーに適用され、例外はありません。

したがって、証券会社や取引所が提供するセミナーや教育プログラムなどを活用し、常に最新の法規制や取引ルールを把握することが大切です。

また、複雑な取引戦略やリスク管理手法を適用する際には、自己責任の原則が適用されるので、両建て禁止の理解と適用が求められます。投資の成功は、これらの知識と理解に基づく適切な判断力が必要となるからです。

両建て禁止のまとめ

両建てとは、同一の商品に対し、同時に売りと買いの注文を出すことです。この取引方法は、保険の一種ととらえられることもありますが、あまり理解していないと大きなリスクに直面する可能性もあります。

したがって、金融取引所やブローカー、金融商品取引業者の中には、顧客の資産保護の観点から、両建てを禁止するところも多く見受けられます。

投資の世界にいる者なら誰しもが、利益を最大化し、リスクを最小化することを目指しています。これには理解と対応が肝要です。まず両建てがどういったものであるかを理解すること、そしてそれにどう対応するか、投資スタイルや金融業者のルールにより策を練ることです。

たとえば、両建てはリスクヘッジの一種とも言えますが、そのリスクは適切に理解した上でなければなりません。なぜなら、もし市場が予想と反対の動きをしたとき、想定外の損失を出す可能性もあるからです。

また、金融業者によっては両建てを禁止しているところもあるため、そのルールをしっかりと理解し、適切な対応を取ることが求められます。