NISAのつみたて投資枠(旧積立NISA)解約前に知る「損しないためのメリット&デメリット解説」

NISAのつみたて投資枠(旧積立NISA)とは何か

NISAのつみたて投資枠は、一般的なNISAと同様に非課税制度を利用した投資方法のひとつであり、少額から始められる投資の手法です。

旧積立NISAとは、2018年から導入された新たな投資制度で、2024年には新NISAの「つみたて投資枠」として生まれ変わりました。

概要を含めた銘柄の調べ方を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

NISAのつみたて投資枠(旧積立NISA)の仕組み

NISAのつみたて投資枠の特徴は、毎月一定額を投資するという点であり、少額から投資が可能であることが最大の特徴です。

具体的には、ネット証券では100円から投資が開始でき、その積立金額は自由に設定できます。月ごとに投資する金額は自分で設定し、その設定金額を毎月自動的に設定し続けることで、積立型の投資を行うことが可能になります。

ただし、年間で非課税となる投資金額は最大120万円に制限されています。また、投資する対象となる金融商品も限られています。主な投資対象となるのは、投資信託やETF(上場投資信託)で、将来的にはこの範囲が広がるともっと投資しやすくなるでしょう。

NISAのつみたて投資枠(旧積立NISA)のメリット

一番のメリットは、少額から始められる点です。初心者の人でも気軽に投資を始められることが大きなポイントとなります。

また、無期限非課税というメリットもあります。利益が出た際に税金がかからず、その利益を再投資して更なる利益を追求することができます。

さらに、NISAのつみたて投資は、一度に大きな金額を投資するのではなく、毎月一定の額を積み立てていく形式のため、リスク分散にも効果的です。株価の上下に左右されずに、長期的視野で投資を行うことができます。

NISAのつみたて投資枠(旧積立NISA)を使うべき人

NISAのつみたて投資枠は、投資初心者や少額から投資を始めたい人、そして長期的に安定的に資産を増やしていきたい人に適しています。特に投資に対する経験がなくても、自動積立方式であるため手間がかかることなく投資を始められます。

また、利益が非課税となるので、将来的に税金の負担を少なくして資産運用をしたいと考えている人にもNISAのつみたて投資はおすすめです。

ただし、NISAのつみたて投資は長期的な投資を前提としていますので、短期的に大きなリターンを求める投資家には必ずしも適していないと言えます。

以上のように、NISAのつみたて投資は、その特性から一部の人にとっては非常に魅力的な投資手段であると言えるでしょう。

NISAのつみたて投資枠(旧積立NISA)の解約の理由

NISAのつみたて投資は将来の安定的な資産形成の一環として非常に有効な手段であります。しかし、それにもかかわらず解約を考える人がいるという事実も確かに存在します。

NISAのつみたて投資を解約する理由は人それぞれでしょうが、その大まかな理由を把握することは、これからNISAのつみたて投資を利用しようと考えている方にとっても、解約を考えている方にとっても大変役立つはずです。

資金の必要性

急な出費が発生し、手元に資金が必要になった場合、積立NISAからの早期解約を考える人も少なくないでしょう。

また、大きな買い物を控えている場合や、生活費が厳しくなった場合なども同様です。

さらには、投資先の銘柄が下落し続け、元本割れを避けたいと思った場合も積立NISAから最速で資金を引き出したくなるかもしれません。

しかし、このような理由で解約を考える場合は、解約に関わる手数料や税金面、さらには元々の投資目的を再確認することも大切になります。

投資成績の不満

NISAのつみたて投資は長期的な資産形成が目的であるため、短期間での大きな利益を目指している人からすると、なかなか成果が出ないことにフラストレーションを感じ、解約を決意することもあるでしょう。

また、選んだ商品の運用成果が期待通りでなかった場合や、市況の変動で資産価値が減少した場合も、解約を考える一因となるかも知れません。

しかし、慌てて解約する前に、投資の基本となる「リスクとリターン」を理解し、自身の投資方針を見直す必要があります。

サービス内容への不満

選んだ金融機関のサービス内容に不満を持つことも、NISAのつみたて投資を解約する理由の一つと言えるでしょう。

例えば、以下のようなものが該当します。

  • 手数料の高さ
  • 商品ラインナップの乏しさ
  • 口座の操作性の悪さ

また、信用できる業者かどうか、しっかりとした支援体制が整っているかどうか、といった基本的な部分にも不安を感じることがあるかもしれません。

このような場合、他の金融機関に変更するオプションも考えられます。ただし、それによる手数料や税金の負担等、軽々しく解約を決定してしまう前に十分に検討をした方が良いでしょう。

NISAのつみたて投資枠(旧積立NISA)の解約の手順

NISAのつみたて投資は、個人で株式や投資信託などの資産運用を行いながら、一定の範囲内で税金を非課税にする制度ですが、解約の意向が出た場合にはいくつかの手続きが必要となります。

ここでは、その手順を順を追って理解しやすく解説します。

解約方法の概観

一般的なNISAのつみたて投資の解約方法は、オンラインで手続きする方法と、窓口や郵送で手続きする方法があります。

オンラインの場合は、インターネットバンキングを始めとする金融機関のウェブサイト、もしくは専用アプリを利用して解約手続きが可能です。

一方、窓口での手続きの場合は、各金融機関の具体的な解約手続きを確認し、必要書類を提出する流れとなります。また郵送の場合は、各金融機関から必要書類を取り寄せ、記入後に提出する方法です。

いずれも解約の意思が決まったらまず行うべき手続きです。

解約のための手続き

通常、NISAのつみたて投資の解約手続きは、まず金融機関に解約の意向を伝えることから始まります。

次に、必要となる書類を揃えるため、金融機関の指示に従って進めていくことです。具体的な書類としては、解約申請書や本人確認書類などがあります。これらの書類を提出後、金融機関側で確認作業が行われ、その結果次第で解約が進行します。

ただし、この手続きはあくまで一般的な流れであり、金融機関や取引内容によっては手続きが異なる場合もありますので、必ず各自で金融機関に確認することが重要です。

解約後の手続き

NISAのつみたて投資の解約が完了した後も、その後の手続きが必要な場合があります。

具体的には、解約によって得た金額がある場合、そのお金の管理や利用、そして税金の申告のことを指します。例えば、得た資金を別の金融製品に投資するのであれば、再度、その製品の手続きを行う必要があります。

また、税金の申告に関しては、一定の金額以上の利益が出た場合には確定申告が必要となることがありますので、税に関する基本的な知識を持つことは不可欠です。

このような手続きは再度時間と手間がかかりますが、解約によるトラブルを防ぐためには必要な作業となります。

NISAのつみたて投資枠(旧積立NISA)の解約を考える際の注意点

NISAのつみたて投資の解約を考える際にはいくつか注意点があります。

解約時の税金、解約手数料、解約によるリスクという三つの問題について詳しくみていきましょう。

解約時の税金

NISAのつみたて投資の最大の特徴は、投資利益の税金が非課税となる点です。しかし解約すれば、当然投資利益に対する税金が掛かるため、大きな金額を得られる見込みがある場合は、解約時期を見極めることが重要となります。

税金の扱いについて熟知しておけば、より賢い投資判断が可能になるでしょう。また、解約した後に再びNISA口座を開設することは可能ですが、解約後の口座開設では再び初年度からのスタートとなる点も覚えておきましょう。

解約手数料

解約する際には、手数料が発生する可能性があります。

この手数料は金融機関ごとに設定が異なり、無料のところもあれば数千円かかるところもあります。解約を考えているなら、あらかじめ自分が契約している金融機関の解約手数料を調べておくといいでしょう。

それを踏まえたうえで、解約時期を検討しましょう。なお、解約手数料は、投資利益だけでなく本体の投資金にもかかることもあるので注意しましょう。

解約によるリスク

NISAのつみたて投資には一定期間の運用を前提とするため、途中で解約することにはリスクが伴います。

リスクの一つが投資先の価格変動による損失リスクです。評価額が下がっている状態で解約すると、素直に損をすることになるのです。

これらのリスクをしっかりと理解した上で、解約を検討していきましょう。

他の資産形成手段との比較

資産形成の手段は多岐にわたります。

貯蓄、不動産投資、株式投資、投資信託、年金制度(iDeCo)、NISA(少額投資非課税制度)等、選択肢は多いのですが、それぞれの特徴、メリット、デメリット等を理解することで、自身に最適な方法を選択することが必要となります。

一般的な投資信託との比較

一般的な投資信託は、専門家が運用するもので、初心者でも簡単に始めることができます。しかし、運用している専門家への手数料がかかること、収益が安定しないことが特徴です。

一方、自己で運用する場合、その運用手数料をコントロールすることが可能であり、リターンをより大きくする可能性があります。しかし、株式投資の知識や市場の動向を把握していることが必要となります。

サラリーマン投資家が増えている現在では、その中間的存在としてロボアドバイザーなどがあります。これらは人工知能が運用を担当し、手数料を大幅にカットすることが可能です。

iDeCoとの比較

iDeCoは労働者の老後資金を確保するための制度であり、公的年金だけでは不足する老後の生活資金を自助努力で補うための制度です。運用期間が長いため運用成果が大きくなる可能性がありますが、基本的に60歳まで引き出せません。

その点、自分で投資をする場合、タイミングを自由に選べます。ただし、リスク管理を自身で行う必要性があります。また、iDeCoは税金のメリットが大きく、毎年の掛け金は全額所得控除の対象となります。

NISAの成長投資枠(旧一般NISA)との比較

NISAの成長投資枠(旧一般NISA)は、自由に投資を選ぶことができ、投資対象も幅広いです。しかし運用するには、自己責任でリスクを取らなければならないという点があります。

そして、つみたて投資枠は年間最大120万円までの投資が可能ですが、成長投資枠は年間240万円まで可能です。

これと比較し、自筆運用なら、節税の利益はありませんが、運用期間や金額の制限がないという利点があります。